本日の講義は
「骨折(fracture)」についてです。
骨折とは、
骨が何らかの原因によって、その解剖学的な連続性を断たれた状態のことです。骨折を原因別に分類すると、
外傷性骨折(traumatic facture)、
病的骨折(pathological fracture)、
疲労骨折(fatigue fracture)に分けられます。
外傷性骨折とは、
正常な骨に直達または介達外力が加わって生じる骨折のことです。受傷原因から、直接外力の加わった部位に骨折が生じる(直達外力による)骨折と、外力が加わった部位から離れた部位に生じる(介達外力による)骨折とがあります。
病的骨折とは、
骨の局所的な病変による強度低下が基礎となって、通常考えられないような軽微な外力で生じる骨折のことです。転移性あるいは原発性骨腫瘍、化膿性骨髄炎などの局所病変によって起こることが多く、単発あるいは多発性骨髄腫、白血病などの血液悪性腫瘍によるものもみられます。
疲労骨折とは、
健常な骨に通常は骨折を起こさない程度の負荷が繰り返し加わった場合に生じる骨折のことで、
急に環境や習慣を変えて激しい運動を繰り返したときに起こります。近年、スポーツによって脛骨や腓骨に起こる
走者骨折(runner fracture)が増加しています。
骨折といっても様々な種類があるので、今回は特に
高齢者に多い骨折について説明していきます。
高齢者に最も多い骨折は
脊椎圧迫骨折で、
尻もちをついたときに起こります。治療は、
安静臥床後にコルセット(装具)をつけて徐々に坐位や車椅子生活に移行していきます。
次いで高齢者に多いのが
大腿骨頚部骨折で、
横に転倒したときに起こります。大腿骨頚部は骨折の際、血流途絶となることがありなかなか癒合せず、大腿骨頭壊死を起こす場合もあります。そのため治療は、
人工関節置換術などの整形外科的手術を行います。場合によってはプラスチック装具を装着し、臥床期間を短縮させ、活動性を低下させないようにします。
そしてもうひとつが
橈骨遠位端骨折で、
つまずいて前方に倒れて手をついたときに起こります。
骨折治療の基本原則は、
骨折部を整復し、ギブスで固定して早期に骨癒合と機能の回復を図ることです。また高齢者の場合、
長期の臥床により廃用症候群を起こす可能性が高くなるため注意が必要です。廃用症候群を防ぐためには、
臥床期間を短縮させ、
活動性を低下させないようにすることが重要になります。
本日の講義はこの辺で…。
今日は、ようやくゼミの担当教員とこれからのゼミの進め方について決めてきました。研究テーマは「脳性麻痺児の嚥下」についてです。しばらくは週に1回の頻度で勉強会なのですが、1日の講義が終わった後にあるのでちょっとしんどいかも。しかもその日は1日中講義がびっしりと詰まった日…( ̄□ ̄;)まぁ、先生の都合と学生の都合がうまく合わないので仕方ないですよね(^_^;)勉強会は来週から…とにかくやるしかないですよね。
目標は先生曰く「学会で発表できるようなもの、そして雑誌に投稿できるレベルのもの」だそうです…。なんだか目指すところが高いような気もするのですが、そんな場所を目指してみるのも悪くないですね(^o^)/