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TALES OF DREAM

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大腿骨頚部骨折

本日の講義は先週の骨折のなかでも紹介した「大腿骨頚部骨折」についてです。

大腿骨頚部骨折は、高齢者の転倒で最も多くみられる骨折であり、合併症や既往により機能予後、生命予後に大きく影響する疾患です。理学療法では、関節拘縮や筋力低下、認知症や意欲の低下など廃用症候群を予防し、合併症や既往歴からリスク管理を十分行いながら理学療法をすすめていく必要があります。特に高齢者では、早期の理学療法開始が重要とされており、二次障害の予防、改善が必要です。

大腿骨頚部骨折は、内側骨折(intracapsular fracture)外側骨折(extracapsular fracture)に分類されます。さらに内側骨折は骨頭下骨折(subcapital fracture)中間部骨折(intermediate fracture)に、外側骨折は転子間骨折(interochanteric facture)転子貫通骨折(pertrochanteric fracture)に分類されます。なお、外側骨折は大腿骨転子部骨折ともいいます。

大腿骨頚部内側骨折の分類にはGarden分類があり、これは骨折部における転位の程度をもとにstage分類されています。
stageⅠは不完全骨折で、内側で骨性連続が残存しています。骨頭は外反位をとります。
stageⅡは完全骨折で、軟部組織の連続性は残存しています。転位はありません。
stageⅢは完全骨折で、Weitbrechtの支帯の連続性が残存しています。骨頭回転位で、骨頭は内反位をとります。
stageⅣは完全に転位した完全骨折で、すべての軟部組織の連続性が断たれています。両骨片は完全に分断されます。

大腿骨頚部骨折の治療についてはこちらを参考にしてみてください。
なお、人工骨頭置換術後は脱臼に注意が必要です。脱臼は股関節屈曲・内転・内旋を同時に行ったときに起こるので、これら3つの動きが同時に起こるような運動は避けなければなりません。
by tyama0902 | 2006-05-30 23:03 | 勉強
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